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動脈硬化が足の血管に起こったら…末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)

足の動脈硬化(下肢閉塞性動脈硬化症)について

現在、さまざまな研究により足のしびれや痛みを放置したままにすると、心筋梗塞や脳卒中など重大な病気に進展し、早死にすることが明らかになっています。
「たかが足のしびれや痛みで命まで奪われるのか」と信じられない人もいるでしょう。しかし、間歇性跛行(歩行中にしびれるような痛みが現れて歩けなくなる)などの歩行障害を持つ人が治療をしなければ、5年後には30%の人が命を落とし、4%の人が足を切断するという衝撃的な事実があります。
これは乳がんや大腸がんよりも生存率が悪いという結果であり、しびれや痛みを伴う足の病気にかかると予後が悪い(早死にする)ことを示しています。
足の健康に気を付けることは、生命予後(長生きできるかどうか)の観点からいっても、実はとても大切なことなのです。
このような症状がみられる方は、できるだけ早く適切な診断と治療を受け、足のしびれや痛みを改善したほうがよいと思われます。

セルフチェック

足の健康に特に気を付けたいのは、どんな人?

 タバコは吸いますか?
 血糖値が高い(糖尿病)と言われたことがありますか?
 コレステロールや中性脂肪が高い(高脂血症)と言われたことがありますか?
 血圧が高い(高血圧)と言われたことがありますか?
 過去に心筋梗塞を起こしたことがありますか?
 過去に脳卒中を起こしたことがありますか?
 家族に心筋梗塞や脳卒中を起こした人がいますか?
 閉経しましたか?
 現在、透析を受けていますか?
 年齢は65歳以上ですか?
 肥満ですか?

上記の項目の中で一つでも当てはまるものがあれば、あなたの足の健康度は低下しているといえるでしょう。 また、あてはまる項目が多ければ多いほど、それだけ足の健康度も低下していると考えてください。
このような人はふだんから自分の足の状態について確認しておくことが大事です。
是非、足の健康状態セルフチェックをやってみましょう。

具体的にどんな症状があるの?!

次のような症状は、閉塞性動脈硬化症の可能性があります!

1つでも心あたりのある方は、専門医(循環器内科など)に相談して下さい
・片足がしびれたり、足の先が冷えたりする
・長く歩くと片足が痛くなる
・片足の皮膚が青白くなったり、紫色になったりする
・じっとしていても足が痛い
・夜、足が痛くて眠れない

さらに進行すると…

手足の感覚が鈍くなって、ケガをしても気づかないケースもあります。
もともと血行が悪くなっているところに細菌が入って感染症を起こすと治りが悪く、最悪の場合は病変部が腐ってしまい(壊疽)、切断しなければならないこともあります。
だからこそ、早期の段階で発見し、治療を開始することはとても重要です!

下肢閉塞性動脈硬化症が悪化するとこんな恐ろしいことに!

検査と診断

腕と足首の血圧差で血管の状態が分かる

検査行程

足の動脈硬化の検査の流れ

足の動脈硬化の検査では、まず問診と触診が行われます。触診では足のつけ根、膝の後ろ、くるぶしの内側、足の甲にある4か所の動脈を触って、脈が触れるかどうかを調べます。脈が弱かったり、感じないときは足の動脈がつまっていると考えられます。また、腕と足首の血圧を測り、その差をみる検査でも血管がつまり始めているかどうかがわかります。腕に比べ足首の血圧が低いときは、この病気が疑われます。
診断がつけば、次に治療のための検査を行います。まず超音波、CTスキャンなどの画像診断機器を使い、「どの部分が、どれくらい詰まっているのか」を調べます。痛みや入院の必要はなく、外来で簡単に検査できます。更に、これらの検査にて異常のある人は、入院にて下肢血管造影を施行し確定診断をします。

ABI検査…腕と足の血圧を比べ、足の血流低下の程度を確認します。

通常、ABIは1以上ですが、足の血管が動脈硬化により、狭くなったり詰まったりすると、その先の血流が減少するため、足の血圧が低下し、ABIも低下します。ABIが0.9以下の場合、足の血流が悪くなっていると考えられます。

下肢血管エコー検査…超音波で血流の状態や血栓の有無を調べます。

血管造影検査…治療方針を決めるための確定検査です。

カテーテルを用いて足の血管に造影剤を入れ、レントゲン撮影をします。どの部分の動脈に変化が起こっているかを画像で確認します。

血管造影検査(下肢) 73例
※2010年4月~2015年12月までの検査実績

足の動脈硬化の重症度の分類

Ⅰ度 冷感やしびれを感じる。
Ⅱ度 ある一定の歩行距離で痛みにより歩けなくなり、しばらく休むとまた歩ける。
Ⅲ度 安静時にも痛みが現れる(とくに夜間に痛むことが多い)。
Ⅳ度 皮膚がじくじくしたり(潰瘍)足先が腐って変色(壊疽)する。

下肢閉塞性動脈硬化症の治療

血行再建では血管内治療が選択される傾向に

治療のポイントは、狭くなり詰まりかけた血管の状態を改善し血液の流れを良くすることです。それには「保存療法」と「血行再建」の二つの方法がありますが、一般的に軽度~中等度(Ⅰ~Ⅱ度)の場合、まず保存療法(薬物療法、運動療法)が行われます。これらの方法で改善しない場合、あるいは重症化(Ⅲ~Ⅳ度)している場合は血行再建の対象となり、当院では血管内治療が選択されます。
最近の傾向としては、メスや全身麻酔を使わず人体にやさしい治療法として注目される血管内治療を、まず行うケースが増えています。また、「足の切断しかない」と診断された患者さんでも、状態によっては血管内治療の対象となり、切断をまぬがれることもあります。

血管内治療 経皮的血管形成術(下肢PTA)

動脈にカテーテルを挿入し、狭くなった血管を拡張する治療法です。
カテーテルの先につけた風船を膨らませて血管を拡げる「バルーン療法」、再び血管が狭くなるのを防ぐため拡げた部位にステント(金属製の編み状の枠)を留置する「ステント療法」などがあります。

バルーン療法

ステント療法

血管内治療
経皮的血管形成術(下肢PTA)
109例
※2010年4月~2015年12月までの診療実績
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